雪加blog

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忘れられた巨人・・・

カズオ イシグロ 『忘れられた巨人』

やっと読みました。6~7世紀のイギリス、

長年暮らした村を離れ遠くに住む息子に会うために旅に出るふたり

でも村には謎の霧が立ち込めていてそのせいか人々の記憶があいまい

になっている、息子の住むところも何故出ていったかも思い出せない

そんな老夫婦の冒険ストーリー・・

 

今回はファンタジーというスタイルをとってはるか昔のイギリスへ

誘ってくれました。

時代や舞台は全く変わりますが必ず忍ばせているのは人間の記憶の

曖昧さ、愛や憎しみ、悲しみ、後悔・・様々な感情についての

彼のメッセージ。

今までの作品の中でも一番良かったです。読書している時間が

素晴らしい体験。

民族間の争いもテーマとして入っていますが今のアジアの事にも

思いを巡らせてあるようです。

自分の思いや考えをこんな形の小説にできるって凄すぎま

す。

 

私も常々思っていますが過去ってなんだろう?

頭の中で思い出す過去の出来事と自分が想像した事柄(具体的であれ

ばあるほど)に差がないのです。

そしてはっきりと覚えているようなことでも時間がたつにつれて更新

されている・・

本当に今この瞬間しかないのかも?

そんな疑問に答えてくれるような作家さんですね。

(様々な読み方のできる小説です。読み手の興味でかなり幅がでるよ

うな・・)

 

 

忘れられた巨人

忘れられた巨人